2024年10月17日木曜日

第20回みやこ祭参加のお知らせ

 第20回みやこ祭参加のお知らせ

都立大将棋部は今年(2024年度)の第20回みやこ祭に参加いたします。
部員との対局や部誌の販売を行います。どなたでも大歓迎!! 
ぜひお立ち寄りください。


日程: 11/2(土)~11/3(日)

場所: 7号館 二階 215和室

アクセス: 都立大学南大沢キャンパスのアクセス

東日本大会の振り返り(中根)

東日本大会の振り返り(中根) 

こんにちは(挨拶)。都立大将棋部部長の中根です。かなり遅くなってしまいましたが、先日行われた東日本大会の振り返りをしていこうと思います。乱文ではありますが目を通していただくと幸いです。


今年の東日本大会は私中根と松村(4年)、森田(1年)の三人が関東代表に選出された。昨年度は松村に加え高橋(2年)の二名が参加していたが、今年はさらに増え三人で参加することとなった。

東日本大会は五日制で行われ、前半三日で団体戦、残り二日で個人戦を行うという日程である。我々三人は関東選抜として団体戦に他の代表者とともに出場し、個人戦にも参加することになった。団体戦では私と松村が関東選抜Ⅰ、森田が関東選抜Ⅱにそれぞれ振り分けられることになった。


【一日目】

初日は朝9時20分受付開始という、生活リズムが破壊されている夏休みの大学生殺しの日程でスタートした。あまりにも朝が早いため前泊も考えたが、前日が社団戦で疲れもがあると想定し、当日朝早く起きて向かうことにした。その結果通勤ラッシュに巻き込まれ到着時点ですでに疲労困憊であった。東日本大会に合わせて世間も休みにしてほしい。

いろいろありながらも無事時間通りに到着した。集合後それぞれのチームに分かれるのだが、関東選抜のⅠとⅡのメンバー構成が周知されておらず一部しかメンバー構成を知らないというグダグダ具合を披露しつつも何とか合流することに成功。

ちなみに関東選抜のメンバーは都立大の二人に加え、明治大学の大下さん、筑波大学の前沢さん、日本大学の新田さんの五名となった。本来、慶應大学の嶋村さんも参加することになっていたが参加ができず、急遽五人でチームを組むこととなった。様々な実績がある嶋村さんの不在による戦力ダウンは否めないうえ、五人ぴったりのため休むこともできないという苦しい状況だった。なお不在の嶋村さんの名前をオーダー票の真ん中に書くという小賢しい真似をしている。

東日本大会の団体戦は一日に三局行われる。我々の初日はまず空き番から始まり、北信越選抜戦、小樽商科大戦となった。我々は昨年度の東日本大会の順位が下のチームから順番に対戦していくことになるため、基本的には最終日になるにつれ当たりが厳しくなるといえる。最初から空き番で気楽でよかったと思っていたが、今になってみると疲労がたまってくる終盤に休みがあるほうが良かったように思えた。

※以下の局面図はすべて私が先手になるように反転済。

なお、いつも通り私は全局袖飛車を採用している。


北信越選抜戦

 初戦は北信越選抜の下村氏(信州大学)との対局となった。北信越の方々と対局する機会はほとんどないため、貴重な機会だと認識していた。

戦型は対中飛車となった。中盤はよくわからなかったので後手番ということを生かし、千日手含みの作戦を取った。結果相手はその変化を避けて動いてきたが、冷静に対処してそのまま勝利。幸先の良いスタートを切ることができた。

 チームも5-0で勝利し、文句のないスタートとなった。

 小樽商科大学戦

 二戦目は小樽商科大学の熊谷氏との対局。今回の東日本大会は北海道選抜の出場がなかったため、唯一の北海道勢である。

 戦型は対三間飛車になった。独創的な形で若干作戦負けにも思えたが、うまく攻めをつなぐことができ勝ち切れた。

 初戦と同様にチームは5-0で勝利した。一日目は全勝で終えることができた。


【二日目】

慶應義塾大学戦

 二日目はいきなり慶応義塾大学戦だった。都立大は関東代表をかけたトーナメントで慶應大学に敗戦しており、リベンジの良い機会だ。慶應大学は三名を関東選抜に派遣しており、戦力はダウンしている。とはいっても強いのは間違いなく、大一番になると思っていた。3人欠けていながらこれだけのオーダーを組める選手層が恐ろしい。

私の相手は大間氏になった。実は前日オーダー的に大間氏とあたることが濃厚だったため、ピンポイントで対策を用意していた。その対策がどこまで通じるか楽しみだった。

 

この△6四銀は我々が勝手に大間流と呼んでいる袖飛車対策。前回のブログにも掲載したが、同じく慶應大学の荒木氏に東日本大会の団体代表決定トーナメントで同じ対策をされて敗北したため、今度こそはという気持であった。△4四銀のほうがありふれている形ではあるが、中央志向のこの形も非常に優秀だ。ここで▲6八銀から嬉野流チックに組むのが用意の手順。 

用意の手順だったはずだが、この△4四歩でいきなりわからない。いろいろ考えたが、結局△4二飛から△4五歩と銀を追い返されてしまい気分が悪い展開になってしまった。

以下何とかごまかして下図。

 

攻防の角を打たれた局面。ここで何もわからず▲5八銀と埋めたが、△1九角成と香車を取られながら馬を作られてしまった。▲6二金で攻めが続くと思っていたが、△6一香の余地が生まれてしまい、切れ模様になってしまった。

 とはいえ、まだ自玉は寄らないのでそれっぽくごまかし続けて下図。

 

一手前に△8五金と打たれた局面だが、それに対して▲9七桂がぴったり。金を助けるには△9六金しかないが、そこで▲8五桂として金取りかつ玉頭に利きを足すことができ、一気に模様が良くなった。その後玉頭戦を制して勝利。

 チームは松村、中根の都立大組の二勝のみとなり、二勝三敗で惜しくも敗北となってしまった。


富山大学戦

富山大学戦は川床氏との対局になった。川床氏は界隈では有名な方ではあるが、北信越地区ということもあり、なかなか対局できる機会はないので楽しみだった。

 

川床氏は△6四角型の雁木に組んできた。最近袖飛車対策として広く知られてきている形である。上図までは想定内の形で不満はないが、ここからどうするかといったところ。8四飛型なら用意の仕掛けがあったが、この形で成立しているかは微妙だった。実戦はこの後、様子をうかがいながら▲4五歩と仕掛けていった。しかし、結果としては無理な動きだったので、おとなしく▲7七角から▲8八玉と入場しておくべきだったかもしれない。以下無理に動いて下図。 

2三の空間を生かし、▲9七角から動けば何とかなりそうな気がしていたが、香車を取られてから△8六歩▲同角△8三香の狙いがあって相当忙しい。さらに、飛車を渡すと王手で四筋や三筋に利かす手があり、全く成立していなかった。以降はなんとかならないかとあがいてみたが、さすがに厳しく負け。

△9七角から動く筋は軽く検討したことはあっただけで、見通しの甘い仕掛けをしてしまったのが敗因だろう。


山形大学戦

 山形大学戦は樋口氏との対局となった。樋口氏は代表多数の山形大学の主力である。樋口氏以外にも蜂谷氏、小野氏など強豪が多数在籍しているため、非常に強い大学だと認識していた。

 戦型は対三間飛車。

 

上図までは想定済。銀損ではあるが。飛車が質駒になっていて、端攻めに迫力があるうえ、▲2一角から駒損を解消しに行くことができる。実際、この局面はAI的にはこちらに形勢が傾いている。とはいえ、相手からの△5七桂成からの攻めがわかりやすく、人間的には相当大変なため、再考が必要だと考えていた変化である。

 ここで端に固執して▲8五桂と跳ねたのが悪手。△9四銀と打たれて端がかえって固くなってしまった上、相手の銀は8五~7六と活用していく未来があり、遊んでしまうことはなさそうだ。そこに銀を打つようではと軽視していたが、銀を打たれて一気にわからなくなった。以下手遅れながらも▲2一角としたが、△5七桂成からの攻めが間に合ってしまい敗北。上図の局面では早々と▲2一角と打つべきだった。△4三銀には▲同龍があるため、形よく受けるのは難しい。駒損を解消しつつ竜を活用すれば、端に手がついているのもあり相当やれる形勢だった。

 チームは松村の勝ちのみで1-4で敗戦。チームとしても連勝が途切れてしまい、暗雲が立ち込める展開になってしまった。



東京工業大学戦

 この対局からは三日目になる。二日目に慶応大学、山形大学に敗北してしまったため、優勝が非常に厳しくなってしまった。しかも最終日の当たりは非常に厳しい。これが世に出ているころには東京科学大学に改称されているが、当時のままで書かせていただく。私は近藤氏との対局。

 なぜかこの対局の棋譜が消失してしまっているため、画像を載せることができない。序盤から二枚替えの上竜を作って、全く不満のない展開になったが、寄せがひどすぎて怪しくなった。最終的になんとか競り勝ったが、一時は負けになっていてもおかしくなかった。

 チームは5-0で勝利。全勝できるとは思っていなかったので望外の結果であった。


関東選抜Ⅱ戦

 関東選抜Ⅱは我々とは異なりちゃんと六人いるが、最終日は東京農業大学の當銘さんが不在のため我々と条件は同じである。直前で東北選抜に敗北したため優勝争いから一歩後退していた。

 私の相手は中央大学の山本氏。戦型は対三間飛車になった、その後、相手が中飛車に振りなおしてきたため相中飛車のような戦型になった。


 相手陣が歪なので、積極的に仕掛けていった。角交換になったのち▲3一角があり、作戦勝ちを認識していた。しかし、優勢を自覚してからの寄せが難しい。終盤になって混沌としてきて下図。

 

ここで相手の持ち駒に桂馬がないと勘違いして▲7三銀成と突っ込んで負け。受けに回ればまだまだ大変だったため、淡白な将棋にしてしまったと後悔。

 チームは三勝二敗で勝利。前沢さんが相手の主力である慶応義塾大学の山口氏に勝ったのが大きく、何とか勝利を収めることができた。

 この結果、全勝が東北選抜のみとなり、他チームはすでに二敗以上していたため東北選抜の優勝が確定した。


東北選抜戦

 東北選抜は既に優勝が確定しているためか、主力の笹原氏を外してきた。私の位置的にフルオーダーであれば笹原氏とあたる想定ではあったが、代わって久保氏と対局することになった。 

戦型

は対三間飛車になった。角銀の交換になったのち、飛車を見捨てて特攻したのだがどう考えても攻めが遅い。上図の局面になったが、どう考えても負けていそう。ただ、この局面で互いに秒読みに入っており、相手側から打開するのは難しかったか。それに、こちらが先手番であるため、相手から無理に打開する義務もない。その結果、この局面から千日手になった。明らかに負けだと自覚していたため助かったと思っていた。

指し直し局は初手から互いに秒読み。対局後すぐに棋譜に起こそうとしたもののうまく並ばなかったため、局面図は割愛させていただく。対中飛車で作戦負けになったが何とかごまかして逆転勝ち。棋譜はいつも覚えているので、ここまで棋譜に起こせないのは初めてだった。初手から秒読みなうえ、三日目の最終戦かつ指し直しという疲れが隠しきれなくなっていたのかもしれない。

チームは三勝二敗で勝ち。自分の対局が最後まで残っていたが、勝ちに貢献することができて良かった。


チームとしての最終結果は六勝二敗で三位。勝ち数で並んでいたが直対の結果により慶應義塾大学が二位になった。嶋村さんの不在は相当痛いと思っていたため、三位はまずまずだと思った。

個人成績は五勝三敗。最低限仕事はできたとは思っているが、負けた対局がどれも粘りのない淡白な将棋になってしまったのが悔やまれる。

正直自分が東日本大会に関東選抜として出場できるとは思っていなかった。関東だけでなく、北海道、東北、北信越の方々とも対局をする機会が得られ、とても勉強になった。また、泊まり込みでほとんど将棋漬けの日々を送ったことで棋力の向上が感じられた。

四日目からは個人戦が行われたが、こちらに関しては割愛させていただく。結果だけ言うと、二回戦で団体でのチームメイトだった大下さんに破壊された。東日本大会に参加した都立大の三名が全員大下さんに負けているので、機会があればリベンジしたい。


乱文ではありましたが、ここまで目を通していただきありがとうございました!

以下は宣伝になりますが、我々将棋部は11/2(土)、11/3(日)の二日間にかけて南大沢キャンパスで行われる大学祭に参加します。部員との対局と部誌の販売を行う予定です。部誌には私以外の部員の自戦記やエッセイ?的な何かなども掲載する予定なのでぜひ手に取っていただけると幸いです。

2025年度春季団体戦B1級振り返り(中根)

   こんにちは、四年の中根です。  今回は先日行われました春期団体戦 B1 級の振り返りを書かせていただきます。  結果は三勝四敗で五位となり、残留となりました。都立大は私が入学以降ひたすら昇級と降級を繰り返しており、四年目にして初の残留を経験しました。昨年度から主力が...